イノベーション理論を徹底的に解説~ジョブ理論

イノベーション理論を徹底的に解説~ジョブ理論

著者は、ハーバードビジネススクールの教授も務める、クレイトン・M・クリステンセン。経営コンサルタント会社の共同創業者でもあり、「イノベーション理論」においては第一線で活躍中の人である。他にタディ ホール、カレン ディロン、デイビッド・S・ダンカンらが共同執筆者として名前を連ねている。

ジョブ理論とは何か

副題に「イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム」とある通り、消費者心理の分析を起点に、ビジネスプラン成功までのメソッド確立のためのノウハウが事例とともに描かれた書籍である。
他のマーケティング分析本と違うのは本のタイトルにもなっている「ジョブ」の定義と言える。

顧客は商品を買うのではない。進歩するために、それらを生活に引き入れる。この「進歩」のことを、顧客が片付けるべき「ジョブ」と呼び、ジョブを解決するために、顧客は商品を「雇用」する…

第1章 ジョブ理論の概要

顧客にサービスを売るのではない。顧客の課題を見つけ出し、その課題を解決する(ジョブ)ものを提供するべき、と説いている。

簡単に言えば「ユーザーリサーチをきちんとしてサービスに反映しなさい」というところだ。だが、この本では、イケア、GMやINGなど大手企業の事例をもとに、消費者心理の読み解き方、それをどのようにサービス開発に反映させていくかを丁寧に解説している。具体的で分かりやすく、説得力に満ちている。

その「ジョブ」雇用と引き換えになるものは?

印象深かったのは「顧客が新しいプロダクトを雇用する前にそれと引き換えになにを解雇する必要があるかを理解すること」の解説だ。本の中では、マットレスの購入を考えているユーザーインタビューを元にその重要性を説いている。
消えてなくなる消耗品でない限り、新サービス導入前には古いモノを捨てる必要がある。普通、新商品のアピール部分ばかり目が行き、既存のものとの差別化、という忘れがちな視点に気づかせてくれる。

「ジョブ理論」という新しい言葉を定義し、イノベーション成功のためのメソッドをまとめた本。商品開発のノウハウだけでなく、それを成功させるための組織論まで言及している。
難しそう、と手を出すのをためらっている人も一度は手に取ってほしい。章ごとにテーマの説明と内容のまとめがあるので、それだけでも読んでみることをお勧めします。

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