誰もが革命家に。20xx年の革命家になるには―スぺキュラティブ・デザインの授業

誰もが革命家に。20xx年の革命家になるには―スぺキュラティブ・デザインの授業

著者はテクノロジーと人に関わりをテーマに、様々な作品を生み出しているアーティスト。文化庁メディア芸術祭でアート部門賞を受賞したり、森美術館で展示会を開催。その一方、MITや東大で講義活動を行っている。この本はその講座から生まれた本になる。

「革命」というと権力との闘争、のイメージが強いが、著者は「知恵とアイデアで世の中を変えようという行動」が革命と語りかける。過去から現在も一線で活躍するアーティスト(千利休やシャネルなど)にスポットをあて、彼らの活動が世の中にどういう影響を与えたか、を解説。そして、自身の作品も紹介し、世の中からどのような評価を受けているかも、賛否関わらず、紹介している。

タイトルに含まれている「スぺキュラティブデザイン」。耳慣れない言葉だが、「問題解決」でなく「問題提起」に注力している思考のこと。現在、問題解決よりも「課題発見」が重要視される時代だけに、その発想は必要なのだろう。

本書で紹介されるアーティストたちも一見、「課題解決」で注目されているが、その課題自体、アーティストが発見し、問題提起し、解決方法を提案している。例えば、シャネル。それまでのブルジョアな女性ファッションといえば、ロングスカートにコルセット、というデザインを良しとせず、コルセットを使わない短いスカートを発表して、ファッション界に「革命」を起こしている。

小さな活動の積み重ねで人類は進歩してるのだな、と実感する。世の中を変える、良くする、のはそんなに難しいことではない、とも思えてくる。だが、漫然と日常を過ごしているだけでは無理。「変えよう」という気持ちを持ち、アクションを起こすことが大事だ。

いまある価値観は常に移り変わる、と考えるべきです。未来の倫理を先取りする方法としては、多くの作品に触れ、最新の思想や文化にアンテナを張り、ときに異文化を勉強することも大事だと思います。

テクノロジーとデザインにおける倫理問題

インプット、アウトプットともに重要だ、ということ。とくにアウトプットが苦手なな日本人は、思い切って活動してほしい。

最終章は、著者がMITメディアラボと東大で教えた授業をもとに、SDGsや倫理問題をふまえて社会変革に挑戦するための思考トレーニングができるようになっている。ワークキットにワークショップ用の126枚のカードを収録しており、学習と実践ができる素晴らしい。

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