事例集として充実―広告やメディアで人を動かそうとするのはもうあきらめなさい

事例集として充実―広告やメディアで人を動かそうとするのはもうあきらめなさい

著者の本田哲也氏も田端信太郎氏もバリバリの広告屋でありPRマン。本田氏は、外資系企業でPR会社を設立し、仕掛人として多くの実績をもつ。田端氏は最近だとLINEやZOZOでの活動が目立つが、リクルートで一世を風靡した「R25」を立ち上げを行うなど、常に話題を作ってきた人。

人はどうすれば動くのか?

内容は、世間で多数出版されている「マーケティング指南書」と大きく違うことは書いてない。「情報爆発、消費者主導の時代」「正しいインサイト(本音)を見つけよう」など基本的なことがメインとなっている。

しかし、この本が素晴らしいのは、事例が豊富で分かりやすく分析されているところ。規模に合わせた事例を取り上げ、成功ポイントを解説している。1000人を動かした事例をはじめ、1万人を動かす、…と最後は「10億人を動かす」までを章ごとに紹介している。10億人、てすごい。

事例を紹介されても参考にできる?、と思うかもしれないが、自分がどの規模の集客をするのかは重要なポイントだ。100人と1万では仕掛け方が全く違う。プランニングの時点で目標数字を決めることが重要であり、その指針になるのは間違いない。

「何人に、自社の製品やサービスに関する情報を知ってもらう必要があるのか?そして、その必要規模のリーチを得るにはどうすればいいのか?」を考えるのがスタートだ。

「たくさんの人に見てもらえるほどよい」は本当か

ネスカフェアンバサダー成功の評価

例えば「100万人を動かす」章では、「1日、約100万人にネスカフェを広めるアンバサダー」として「ネスカフェアンバサダー(大使)」を紹介。「アンバサダー」に応募するとコーヒーマシンを職場で無料で利用できる。ネスレ日本は専用のコーヒーカートリッジをアンバサダーに卸すことで売り上げをあげる。この仕組みの画期的なところは、コーヒーカートリッジの管理、集金まで、ネスレ日本の社員でなく、アンバサダーが行うところだ。

アンバサダーはスタートから1年半で約10万人に達し、一人が10人にコーヒーを広めると、1日100万人が飲む計算になる。なぜ、こんなにアンバサダー増えたのか、二人は「違いがわかる人を演出できる」「社員が美味しいコーヒーを出せるおもてなし意識の高い会社をアピールできる」と対談しながら、的確にポイントを語っている。

話題作りをしたいと思って人、自分のSNSをバズらせたいと思ってる人は必読。「あの話題ってこういうことだったんだ」と面白く読めて「世の中は話題はこうやってできているんだな」と納得できます。あと、海外の事例が面白かったり、楽しく読める1冊です。

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